川崎市麻生区では、今年度、「親と子の遊びの会 にこにっこ」と題した遊び活動が各公立保育園で準備されています。2013年6月22日(土)はその第一弾として、上麻生保育園にて地域子育て支援の活動として、親子ムーブメントが実施されました。
この保育園は、昨年度の私の研究協力モデル園として継続的にムーブメントの研修に取り組んだくださった保育士の先生方が4名いて、既に、その先生方がリーダーになって独自の展開を始めていたのですが、今回は、これまでサブスタッフとして支えてくださっていた先生が、メインリーダーデビューでした。ご本人は、初リーダーで、ドキドキなさったそうですが、「さすが!!」・・・でした。
ムーブメントでは、よく、子どもがその「場に居る」だけで多くの刺激を受けていて、ムーブメントの環境に身を置くこと自体に意味がある・・・と言われますが、大人にとっても同じと感じました。いつもサブスタッフとして活動を支えてくださっていた先生自身が積み重ねの中で自然と色々な力を身につけておられたのだと感激しました。そして、既に、元々チームワークのよい保育園でしたが、さらに、先生方同士で伝え合い、高め合う関係があるのだということも感心しました。
さて、保育園の先生方は、絵本や童話をテーマにしたプログラムづくりがとても上手です!この日の題材は、子どもたちが大好きな「三びきのやぎのがらがらどん」。
(以前、長男がお遊戯会で「大きいやぎ」をやるはずが病欠した・・・という・・・個人的な思い入れのあるお話で、私自身もわくわくしてしまいました。)
フリームーブメントの後に、皆で集合してお名前呼びをして、「このこどこのこ」や「一本橋」などのふれあい遊びを楽しみました。そして、テーブルシアターでお話の世界に子どもたちを誘います。皆集中して聞いていました。
その後は、「小さいやぎ」、「中くらいのやぎ」、「大きいやぎ」になって、はいはいしたり、高這いで移動したり、大股で歩いたりして、歩行ムーブメントを楽しみました。
「よし、もっと強くなってトロルをやっつけよう!」と、サーキットムーブメントに挑戦です。お話の世界のイメージを大事にしながら、「くぐる、またぐ」、「渡る」、「ぶら下がる」の運動課題が盛り込まれたサーキットになっていました。
サーキットの後は、どれくらい強くなったかな?とパパやママと押し合いっこをして確かめて、いよいよ、トロルがいる橋を渡ることになりました。
途中、川の流れをイメージした短ロープをまたぎながら、形板の橋を渡り、魔法の木の実に見立てた
ビーンズバッグを一つずつもって、トロルに向かって「エイっ!」
「やられた~」と逃げていったトロルでしたが、「もう、悪いことしないからお友達になって~」と、草に見立てた緑色の風船をたくさんパラシュートに包んでもってきました。美味しい草を皆で食べて、パラシュートでたくさん遊びました。
楽しかったね・・・。トロルとも仲良くなったかな・・・?
少子化や地域コミュニティの崩壊など社会の変化の中で、
子育て支援や発達障がい児支援において、公立保育園に期待される役割は益々大きくなってきました。保育士の先生方も専門的な知識を身につけねば・・・と日々悩み努力されています。でも、ムーブメント教育による遊び活動による支援を実践するようになって、「遊びのプロ」としての自信を取り戻すことができたと話してくださり、私も嬉しくなります。
区の体育館や大学施設で大勢で楽しむ催し的なプログラムももちろん意味はありますが、今回の取り組みのように、少人数で地域の親子が日常的に公園で遊ぶような感覚で、徒歩圏内で気楽に立ち寄って皆で楽しむことができ、「またね!」といって帰ることができる遊びの場がそれぞれの地区にあれば、もっともっといいなと思います。そして、そのためには、地域に根づいた保育園は、最も価値ある財産と感じていますので、引き続き、保育士の先生方と協力して取り組んでいきたいと思います。