形板ひとつで広がる遊びの世界~上麻生保育園でのムーブメント活動報告~

 研修先の川崎市上麻生保育園では、公開親子ムーブメントも始まりましたが、定期的に実施してきた保育内でのムーブメント活動も益々充実してきました!

 先月末に、4歳児クラスの活動を見せてもらいました。
 3色の三角と四角のソフトな板に、数字が印刷してある、ムーブメント遊具「形板」を活用したシンプルなプログラムでした。

 シンプルだけど、大事なことがぎゅぎゅっと詰まったいいプログラムで40分の活動時間があっという間でした!

 さぁ、ムーブメントの時間だよって集まって、子ども達は一人ずつお名前を呼んでもらい、お返事をして、始まりました。
 たまたま、保育園の見学に来られた親子と参観日の保護者もいらっしゃって、一緒に参加でした。

 今日は、「形板」で遊びま~す!と、一枚ずつ、お隣に渡していきました。「右に」「左に」「ゆっくり」「速く」・・・と空間や時間の概念を育みながら、お友達も意識して・・・。
 ピアノ担当の先生もすっかり、アシスト上手になってきて、「みぎ:♪♪」、「ひだり:♪♪♪」とちょっと音程も変えて、上手に動きを応援していました。

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 次は、形板を一枚ずつもって、身体部位を叩きます。「頭を」「肩を」「おしりを」と身体部位を意識して、今度は、「強く~」「優しく」と強弱も変えて・・・(形板は柔らかい素材でできているので、強く叩いても痛くはありません・・・)。

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 一通り、先生のリードで体験した後、今度は、一人一人が自分で部位を選んで、そして、形板に書いてある数字の数だけ叩く、その叩き方を皆で真似する・・・という課題に発展していきました。
大事な「自己決定」・「自己表現」の要素が入っていますね!
子ども達、一人一人真剣な顔で、「どこを何回」叩くのか発表して、それを皆でちゃんと聞いて受けとめて、活動を分かち合っていました。

 そしたら、元気な一人の男の子が、「おしり」を選んだのですが、その叩き方が面白い!
前屈みになって、お股の間から叩きました。
先生が「わぁ~、いいねぇ!」とほめて、お友達も、きゃーきゃー笑いながら、「1,2,3,4,・・・」と数えて楽しそうに叩いていました。

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それから、途中、ある子は、ちょっと憂鬱な顔に・・・
なぜかというと、その子の形板の数字は「0(ゼロ)」!
そう、形板には、「0」もあるんです・・・。
実は、リーダーの先生は、本当は、「0」を予め抜いておくつもりだったのに、うっかり忘れてしまったそうで・・・、一瞬、「シマッタ・・・(汗)」と思ったそうですが・・・、
ここで、素晴らしい、臨機応変
「0」は叩かないで、「そ~っと乗せる」になりました。(スバラシイ
「叩けない・・・」と不安そうだったその子の表情も、「頭に乗せる」を選んで、すっかり笑顔になりました。

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さぁ、次は、立ち上がって、ばらまいた形板を島に見立てて、まずは、島の周りを泳ぐように移動です。
「形板を踏まないように」移動する課題ですね。
音楽に合わせて、す~いすい!子ども達は元気に走り回りました。

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音が止まったら、島に乗る!
皆できたかな~?できたら、拍手~~!

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次、音が止まったら、「おしり」で乗ってね!

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「お腹で乗ってね!」

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「頭で乗ってね」 「えぇぇ~~~(笑)」

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 円座の活動で、丁寧に「身体部位」の確認を取り入れてたので、この床(形板)に触れる部位を特定して止まるという課題も、子ども達はすんなりこなしていました。
 まさに、「変化のある繰り返し」!
そして、見事なスモールステップのプログラムです。

 最後のお片付けも、二人の先生のところに集めた形板を積み上げて、「どっちが多いかな?」って質問をされていました。
子ども達は元気に手を挙げて答えていました。
ちょっとした場面ですが、「多い-少ない」と「高い-低い」の関係を体験的に学んでいます。

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 活動後、先生方と次回のプログラム案について相談しているときに出た話題・・・、
子ども達もすっかりムーブメントの時間を楽しみにするようになったそうで、パラシュートに乗せる紙吹雪なんかを空き時間にちょっと準備していると、子ども達が近づいてきて、「ねぇ、これ、次のムーブメントで使うの?何組さんがやるの?」と嬉しそうに質問されるそうです。

子ども達が「遊ぶことで頭がいっぱい」なんて、嬉しいですね!

私も、次はどんなプログラムかな~って、伺うのがとても楽しみなんです。

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 11月17日は、麻生スポーツセンターにて昨年度に引き続き、麻生区のこども支援室、保育士さん、和光大学の学生達と連携して、親子遊びの会「おおきくなぁれ!あさおっこ」を実施します。
(40組の定員でしたが、区の広報誌に案内が出て、即日予約受付締め切りになったそうです・・・
「動物の親子になって遊ぼう!」がテーマの予定です。
益々ムーブメントリーダーの力がついてきた先生方とあれこれ楽しんでプログラム案を考えたいと思っています♪

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