チームの強さ(福井たけのこ教室)

 サバティカルの研究調査で、先週は、福井の「たけのこ教室」の視察に出かけました。

f:id:satsuki-lab:20220407181958j:plain

 30年ほど前に、一人の障がい児の誕生をきっかけに、小林芳文先生をスーパーバイザーに迎えてある保育園で始まった小さな親子遊びの教室が、今では、保育園・保育士が軸となった地域療育のネットワークの要となるムーブメント教室に発展しています。

 

 昨年度、シンポジウム「子どもを育む『わ』の心」で竹内麗子先生にこの活動についてご講演いただきました。大学近隣の保育士の方々に大きな勇気とやる気を与えてくださったようです。

 竹内先生の講演の記録 

 「地域のつながりの中で広がる遊びの「輪」 : 保育所を核とした地域療育ネットワークづくり 「たけのこ教室」30年の実践 (シンポジウム 子どもを育む「わ」の心)」

wako.repo.nii.ac.jp

 
 
実際の活動を目の前にして、あらためて、リーダーの力量とそれを支えるスタッフの層の厚さ、保護者も含めた大人達のチームワークの良さに感動しました。

 

 リーダーの先生は、経験豊かなベテラン保育士で日本ムーブメント協会認定の専門指導員の資格をお持ちの方で、子ども一人一人の動きを上手に引き出し集団活動を充実させ、流れるようなプログラム展開でした。 

f:id:satsuki-lab:20220407182023j:plain

 さらに、それを支えるスタッフの先生方が素晴らしい!リーダーの子ども一人一人の反応を活かした即興的な判断、突然の計画変更にも即座に反応して素早く動きます。

 遊具一つ取りに行くにも猛ダッシュ!あっという間にムーブメントの風景が生まれ、無駄な時間が一つもありません。そして、決して裏に徹しているわけではなく、子ども達を前に

 素敵な笑顔で優しいダンスを披露したり、個別のサポートを各々が笑顔で行い、「集団の中で個を活かす」プログラム展開を可能にしていました。!
 
 その先生方が日頃お勤めの保育園は皆さん別々で各園から今年度のムーブメント研修担当として送られているのですから、福井のムーブメントを担う保育士さんの層の厚さに感服です。

f:id:satsuki-lab:20220407182041j:plain

 
中には、初級指導者の資格を取ったばかりで、今年度始めてムーブメント活動に取り組まれる方もいて、その方々に後でお話をうかがうと、本当はまだまだ何をしていいのか正直解らないしドキドキしているけれど、リーダーの想いを必死で受け止め、サブリーダーはじめ先輩の保育士さんの動きに合わせてとにかく真似して走って動いているだけなんです・・・と謙虚に話されました。

 
これは、「環境」がリーダーも育てていて、その場に身を置くことで若い保育士さん達が、まさに「身体で覚える」やり方で力をつけているのだと思います。

 変化のある繰り返し、静と動のバランス、集団の中で個を活かす・個を集団に活かす・・・など、小林芳文先生がムーブメントプログラムの理論として話されている内容が全て含まれていました。

 子どももお母さん方も先生方もみんな笑顔で「あ~楽しかった」とお話していて、私もとても幸せな気持ちになりました。

 自分自身の子育ても迷い迷いですが、やっぱり、子育て中の母親が子どもと一緒に笑顔に居られる場所って本当に大事なんだと思いました。

プログラムの詳細については、別の記事にまとめます…。

 

 

 

satsuki-lab.hatenablog.com