クリエイティブムーブメントプログラムの紹介~みんなで海底冒険~

 先月末の富山での親子ムーブメント教室(午後)では、クリエイティブムーブメントプログラムとして「みんなで海底冒険」と題したドラマ性のある集団遊びの実践を行ってきました。

 この「海底冒険」をテーマにしたプログラムは、随分前から繰り返し実践され、少しずつ練り直されたり、現場の条件に合わせて応用されたりして、今に至ります。  昨年、2011年度の川崎市麻生区子育て支援事業 「おおきくなあれ あさおっこ」 でも、このプログラムを活用しました。

 また、このとき研修に参加してくださった麻生区の保育士さん達が早速、今年の7月には保育園内の小さめのプログラム用に一部をアレンジして活用してくださっていました。

 

 ・・・ということで、その3つの実践の記録写真を掲載しながらプログラム紹介します。

 

 フリームーブメントの後は、ダンスムーブメントで集団活動のはじまりを意識します。

(ご存知の方には、毎度おなじみの・・・)

「あたまあたま」「ゆらゆら」「ぐっぱー」のおきまりの3曲でいつもはじめます。 みんなで円座になって、身体部位を確認したり、優しい揺れの動きやリズムを共有したりします。

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 「お名前呼び(呼名)」の活動は、子どもの数が多いと、それだけ時間がかかってしまうのですが、一人一人を主人公に、自分を表現する・・・という瞬間を大事にするためにはどうしても欠かせません・・・!

 人数が多いときは、いくつかのグループに分かれて、サブリーダーに活躍してもらいます。 プログラムの中では、サブリーダーに海に遊びにおいでよ~と誘いにきた海の仲間達ということで、「ワカメ」や「カニ」や「サンゴ」に扮して登場してもらいます。

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 では、みんなで海に出かけよう!という設定で、海のイメージを大事にしながら、基本になる動きを織り交ぜたサークルダンスを楽しみます。

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  そして、波(青色ロープとスカーフを使用)をまたいだりくぐったりする活動を通して、海に潜る・・・というシーンを演出します。

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  海の世界に到着すると、色々な遊びのエリアがあります。海底大冒険のはじまりです。 この部分は、設定ムーブメントの課題として、子ども達の発達段階や人数、スタッフの人数や遊具の数などの条件に合わせて、設定します。

 特に人数が多いときは、3つ以上のエリアを設定して、同じ数のグループに子ども達を分けて、順にエリアを回っていく方法をとると、一人ずつ順番に動いていく「サーキットプログラム」より、子どもが好きなことを尊重しながら個別の対応が充実しますし、活動量を確保することができます。

(このやり方は、以前、夏祭りをイメージしたプログラムで、「出店」をまわる・・・というテーマで設定した時に考えついたやり方なので、私達は「出店方式」と呼んでいます。)

 各エリアの活動を引っ張るエリアリーダーの他に、順に子ども達と一緒にエリアをまわって移動するグループリーダーがいるとスムーズに展開することができます。 各エリアは、海のイメージに課題プログラムをうまく合わせて楽しく設定することができます。

 例えば、カニさんのエリアでは、「移動」の課題がねらいで、ロープの線に沿って歩いたり、平均台の上を歩いたり、形板の上を渡ったりします。

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  ワカメさんのエリアでは、「揺れ」がテーマで、ユランコやトランポリンの遊びを体験できます。

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 サンゴちゃんやお魚さんのエリアでは、「くぐる・またぐ」といった動きを引き出す環境がアレンジされていて、「身体図式」を育みます。

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 その他、力持ちのくじらの王様に、「引っ張られたり、ぶら下がったり」するイメージで、等尺性の運動課題を設定し、「身体像」を刺激するエリアもありました。

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 エリア別の活動の後は、怖いサメが襲ってきて、サンゴちゃんを襲います。

(サメ役にはパパがぴったりです。新聞紙や灰色の布を被ってもらってサメに変身して暴れてもらいます。)

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  ここで、絵本「スイミー」のお話からヒントを得たシーンの展開で、みんなで大きな魚になって、サメをやっつけよう!という展開になります。

 

 スカーフで作ったサークルの中に全員が入って、一緒に、右・左・後ろ・前・・・と動きます。 実は、子ども達は、このとき使う方向性を強調した一連の動きを最初のダンスムーブメントで体験しています。 全員で一つの固まりになると、一人で動くのとはちょっと違う感覚も解ります・・・。

(*これは、「個人空間と共同空間」について体験的に知る課題になっています。「個人空間と共同空間」については、また、後日詳しく書きますね )

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 みんなで大きなお魚になって一緒に動いてサメを追い払うと、サンゴちゃんがお礼にパラシュートをプレゼントしてくれます・・・ サンゴや真珠や海の宝石に見立てたカラーボールをパラシュートに入れてもらって、みんなで飛ばして遊びます。

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 最後は、再び、波のイメージの青ロープ&スカーフが出てきて、海から戻る・・・場面をつくります。

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  ふりかえりの活動時間がしっかり取れるときは、子ども達には、お絵かきで楽しかったこと、嬉しかったことを描いてもらうこともあります。 もちろん、言葉で発表し合ってもOKです。一人一人が、体験したことを絵や言葉にして表現してくれます。

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  以上、「みんなで海底冒険」のプログラム紹介でした~。