哲学する生活者~東京大学社会科学研究所客員研究員キャサリン・テグマイヤー・パクさん来訪~

 東京大学社会科学研究所の客員研究員キャサリン・テグマイヤー・パクさん(米国セントオラフ大学准教授)がインタビューにいらっしゃいました。
 

 テグマイヤー・パクさんのご専門は政治学で、「高等教育とシチズンシップ」の関係が研究テーマだそうです。

 今回は、日本の大学では、学生が社会活性に貢献できる人になることを、どの程度まで大切にしているのかということをテーマにフルブライト研究員として長期滞在して調査しておられるそうです。
 先月、和光大学のGPに注目され、地域・流域共生センターの堂前先生のところへいらっしゃいました。
 ちょうど、隣でさがまちコンソーシアム大学企画の準備で学生がワイワイやっていた頃で、こちらの活動にも興味を持たれ、ぜひ話を聞きたいとご連絡いただき、では、企画終了後にあらためて…とお約束し、本日やっとゆっくりお話できました。

 特に今回のさがまちコンソーシアム大学学生講師企画を中心に、これまでの学生達の取り組みについての話で盛り上がり、あっという間に2時間経ってしまいました。

 「とても興味深い」、「学生たちの話も聞きたい」と言っていただき、自分でやっていることの価値はなかなか自分では解らないもので「シチズンシップ教育」という観点から評価されるとは思いませんでしたが、とても励まされた想いです。

 確かに、「これから先、お父さんやお母さんになったときにきっと役に立つ経験をしたと思う」というような感想を述べる学生もいて、ダンスの活動でも舞踊家やダンス教師を目指して集まった学生ばかりを対象にしているわけでもないし、ムーブメントの実践も特別支援教育の教職課程や保育士の養成コースの実習として教えているのではないし…、

 そんな土壌が、かえって、最首先生が「雑然たる賑わい」と言ってくださる面白い広がりを生んだのかもしれないなぁとあらためて考えました。学生達との出逢いとつながりに感謝です…。

 和光大学創始者 梅根悟初代学長が育成すべき人材を「哲学する生活者」と語ったことについても少し話が飛びました。

 ・・・人生の根本を問い直してみる、問いただしてみる、そういうことを私は哲学するという言葉でいいあらわしているのです。…… (本学の場合には)基礎学的な分野が濃厚に置かれていると言ってよろしいかと思います。そのような教師の講義を参考にしながら、自分で物事の本質を突き詰めてみる、徹底的に突き詰めてみる、あるいは友達との話合いの中で突き詰めてみるといったような、個人として、あるいは集団として、哲学することを学ぶ、深く考えてみるという経験をここで積んでいただくということが、私は諸君の年齢にこそ必要であり、また可能な時期であろうと思っています。

(梅根悟『大学は建物ではなく教師である』より)

 

 タカラモノは実は結構足元にあるのかもしれません…!?

 

 

 あと、個人的には、12歳と8歳のお子さんを連れて来日中とのことで、ちょうどうちも、現在妊娠中の第2子が産まれると同じくらいの年齢差の兄弟になるので、子育ての話でも盛り上がり、大学教員、研究者という仕事と子育てを異国の地で楽しんでおられる姿にとても勇気づけられました。

 そして、サバティカル期間中ということで充実した研究期間を過ごされているようでしたが、ふと、「私の学生にも会いたくなりました。ちょっとだけだけどね」とつぶやかれたとき、かわいい表情でとても印象的でした。

 またお話したいです。今度は学生たちと一緒に・・・。