スカーフ一枚でできること(乳児院での遊び活動報告から)

  遊びがいっぱいの大きな家(乳児院での遊び活動支援) の記事でご報告しましたが、今年度は、乳児院の現場でも、ムーブメント法による遊び活動の展開をお手伝いをさせていただいています。

  先日の研修時、質疑応答の時間に、職員の方々が日常での取り組みの様子の一つとして報告してくださった話に、とても感動したので、書いておこうと思います。

 家族の背景に様々な事情を抱える乳児院の幼い子ども達にとって、実の親との面会の時間が、時に、「慣れていない大人」と狭い部屋に閉じ込められる苦痛の時間・・・になるという辛い現実もあるのだそうで・・・、

 先日も、ある女の子が親御さんとの面会の時間、泣き叫んで嫌がり、親御さんも困惑するだけ・・・という硬直した状態になってしまったそうです。

 そのときに、今回の研修に参加してくださっている保育士の先生が、ふと思い立ってムーブメント遊具のスカーフを部屋に持ち込み、投げたり、揺らしたりの小さな遊び活動を取り入れたそうです。

 女の子は声を出して笑い、子どもの笑顔を見て親御さんも笑顔になり・・・、ほっとした空気になったと・・・、

 そして、その素晴らしい遊びの時間のことを嬉しそうに報告してくださる乳児院の先生方もまた素敵な笑顔で・・・

 たったスカーフ一枚で、ハッピーが増やせるってことを確認しました。

 

 遊びの場の意義・・・、共に生きるための遊びの場を共につくることの意義、自分で言ってきたけれど、・・・あぁ、こういうことなのかなって、実感できたような気がします。 感謝です・・・

 

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*追記:写真はスカーフを活用したクリエイティブムーブメントプログラム「葉っぱのフレディ」の世界の様子です。

詳しくは、 『発達障がい児の育成・支援とムーブメント教育・療法』(大修館書店)の第8章で詳しくご紹介しています。