あそびのちからは いのちのちから

 震災から3ヶ月が経ちましたね・・・。

 3.11からのこの3ヶ月・・・あっという間なのか、長かったのか・・・、自分なりに振り返ってみようと思いましたが、なかなかまとまりません。

 未だ、不自由な生活を送られている方、大切な人や場を失った哀しみが癒えない方・・・のことを想うと、「普通」の生活をすっかり取り戻している自分がどんなに恵まれているか、「当たり前」の今日がどんなに有り難いことなのか解ります。

 でも、同時に「普通」の中で何かが鈍くなっていきそうで、漠然とただ戻ってはいけない、今何をなすべきか・・・感じ続けねば、考え続けねば・・・という焦燥感にも襲われます。

 震災によって私は自分が「母親」であることを強く認識しました。

 地震発生時に子ども達と離ればなれになっていて、職場から保育園に辿り着いて息子達を抱くまで生きた心地がしなかった経験が大きいかもしれません。

 もちろん、たくさんの方が同じ経験をしたのだとは思いますが、自分で驚くほどに、自分の子どもを守りたい・・・そのためだけに自分の力を注ぎたい・・・という衝動が強く、何もかも全部放り出して幼い息子達を連れて故郷長崎に戻りたいと思ったりもしました。

 もともと、仕事と子育ての両立に悩みつつだった自分のライフスタイルにも根本的な問いが発生し、なぜ働いているのか、ここ(大学)で何をしているのか、よく解らなくなってしまいました。 4月になり、学生達とのかかわりやムーブメントの実践を通して、自分自身が「笑顔が笑顔を呼ぶ遊びの場」の力に救われる体験をし、「生き方」や「暮らし方」についてあらためて考えざるえない今だからこそ、様々な暮らしの中で「衣・食・住」の次になってしまいがちな「遊び活動」の意義を問い直したい・・・と思うようになりました。  

 ダンスや舞台活動もムーブメントもゼミでの色々な取り組みも私が今まで和光の学生達と一緒にやってきたことは「真剣に遊ぶこと」です。

 そして、自分達で創った遊びの場のエネルギーによって関わった人間が元気になるという好循環に魅せられたり救われたりしてきました。

 生きるために「衣・食・住」は大事!でも、「遊ぶこと」も同じくらい、いや、時にはそれ以上に大事!

  「あそびのちからは いのちのちから」・・・現在取り組んでいる研究プロジェクトのテーマです。  何かが“大きく”変わる時なのだと思います。気負わずゆっくりと、でも、逃げ出さずに、今自分がなすべきことを考えて動きたいと思います。

 生かされている命に感謝して、小さくてもいいから、今自分にできることを・・・。  あそぼう・・・ 

          f:id:satsuki-lab:20220407190303j:plain