遊びは生活の中に

 3月2日(水)10:00~、川崎市麻生区岡上こども文化センター内で学生達が実施してきた出張ムーブメント教室、今年度最後となる3月の教室は、和光大学内での実施となりました。

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 20人の子ども達が参加してくれて、ママやパパと一緒にダンス室の照明機材を活用したプログラムで、盛り上がりました。平日でしたが、パパの参加も数組あって、活気づけてくださいました。

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 初めての場所で、もっと戸惑う子どもが出てくるかなと思いましたが、問題なし・・・。親しく言葉を交わすママさん同士の表情や自然と自分の子ども以外の子どもを抱き上げるパパさんの行動を見て、あらためて考えたことは、この集団は、地域子育て支援の施設である岡上こども文化センターを拠点に、もともと「開かれたつながり」のある人々で構成されていること、そして、その「つながり」に支えられ短期間でムーブメントの遊びの場が発展し、学生達も成長し、活性化した遊びの場の力によって、さらなる「つながり」が増しているのだろう・・・ということです。

 

 これまでも大学内でムーブメント教室を数多く開催してきましたし、他にも学生がリーダーをつとめる機会も多くなってきましたが、この日の教室はひと味違いました・・・。何でだろうと考えてみて、学生との会話を思い出しました。私が、予想以上の賑わいに「大した宣伝もしないのに、よくこんなにたくさんの親子が大学まで来てくれたね~」とつぶやいたとき、リーダーの学生が「『こ文(岡上こども文化センターの略称)』に通うお母さん達には、和光大は遠くに出かけるって感じじゃないんだって! こ文に行くのと変わらないんだって!」と答えてくれました。・・・ふ~ん、なるほど、これは、「ご近所パワー」ってことではないでしょうか・・・!? 今日の参加家族にとって、和光大学は「生活圏内」なんです。私自身の体験から考えてみても、小さい子どものいる家族にとって、ベビーカー押して徒歩で行ける近所の公園くらいの感覚って、とっても大事なんだと思います。

 大学でムーブメント教室を開催するとどうしても役割上「イベント」的な要素が強くなってきますが、本来、遊びは「生活」の中にあるもので、毎日の暮らしの中で無理なく自然に展開できることこそが地域支援、家族支援につながる遊び活動なのだということを再確認しました。

 体育館の入り口にたくさん駐めてあったベビーカー、教室後に学食でランチを楽しむ子連れのママさん達…、いつもの大学にはない不思議な光栄でしたが、地域に愛される大学を目指すなら、これはアリでしょ!?…って思ってしまいました。
 
 終了後の反省会もしっかりやってきたようで、こども文化センターの職員の方々と一緒に意見交換を繰り返してきたそうです。今回は、職員の方々がてくてくと大学まで歩いて来てくださいました。
 プログラムの中盤、新聞紙の中に埋もれたカラーボールを探して色別に箱に入れるという課題があり、子ども達はとても積極的に参加していましたが、反省会では、子ども達の発達段階を考慮すれば、「赤・青・黄色」の言葉による提示だけでは不足していて、ボールを入れる箱に対応する色をつけておくべきだった・・・という意見が出されていました。   

 7月から月1回、全9回のプログラムを学生たちが独自で実施してきました。私が産休の間に始まったこの活動・・・。学生達が自分達で始めたからこその「等身大」の活動なんだと思います。学生達にとっても、えっちらおっちら遊具担いで通ったり、下校途中にチラシ届けに寄ったり、そんな大学生活の「生活圏内」での実践だからこその発展だったのかもしれません。
 1歳前後の子どもが最も多く、成長著しいこの時期の生身の身体に触れて、あれができるようになってた、これができるようになってた、すごいね~と語り合う学生達に「いや~、あなた達の成長もすごいよ・・・」と素直に感心し、ほくそ笑んでしまいました・・・。

 地域社会に実際に参入し具体的な体験を積み、そこで自らの課題を知り学び取る・・・そんな学生達の姿を見て、これはオモシロイ・・・とあらためて、足もとから学ぶことの意味を考えました。