「おばあちゃんの子育て」は人間だけ

  日曜日、自宅の庭にカマキリが現われました。  「ママ~、とって~とって~!はやくぅ!」と長男Qにせがまれ、えぇ~~!?、う~~ん、えぇい!! 
 …「虫取り」…、男の子を産まなかったら一生こんなことしなかっただろうな~と思うことの一つです。
 遊び大好きのママですが、この分野(!?)では、日頃から「役立たず」と思われているので、今回は「やればできるじゃん」と、とても誉めてもらいました…ほほほ...

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 数日経ってそろそろ逃がしてあげたら…と提案しましたが、Qは絶対に嫌だと言い、「かまちゃ~ん」と呼びかけて観察しています。
 このカマキリお腹がふくらんでいて、どうも産卵前の雌だと思われます。出産前だと思うと、栄養価の高いものを食べて安心して産める環境を…と同じ雌としては同情してしまうのですが、こっそり逃がす勇気もなく、今日もかまちゃんの生存を確認して一日が始まりました。
 カマキリと言えば、交尾の後雄が雌に食べられるという話が有名ですが、雌だって卵を産んだらまもなく死んでしまいます。まぁ、虫の場合は、卵として子孫を残した時点で役割を終えて死ぬ…と言うより、成虫のまま冬を越せない…ということもあるでしょうが、何れにしても自分の子ども達を見ないまま死んでしまうのです…。
 子育て中の人間としての視点からすると切ない感じもしますが…、それこそ、環世界…、彼らにはその方がいいのかもしれません。
 
 さて、かまちゃんのごそごそする音を聞きながら、10月の公開シンポジウムの記録原稿をまとめているところなのですが、そういえば、仁志田先生の講演の中に、「おばあちゃんが子育てに参加するのは、人間だけ」という話が出てきました。
 まず、動物の世界では、「おばあさん」という存在自体が、進化的に見ると極めて特殊なことなのだそうで、人間にもっとも近いチンパンジーも含めて、他のほとんどの動物は出産可能年齢を過ぎると、まもなく死んでしまうのだとか…。
 生物は繁殖して子孫を残すことに意味があり、子どもを産めない「おばあさん」は種の存続、繁殖に貢献することができないので、すぐに死んでしまうのだそうです。
 ところが、人間には、「おばあさん」という存在がいて次の世代の出産や子育てに関わっている…、このことは、人類という種の存続、繁栄に大きな役割を果たしているのではないか考えられている…のだそうです。
 
【後日追記】↓

wako.repo.nii.ac.jp

 

 なるほど…。確かに…。


 「もしもし、ばぁば~、かまちゃん何食べるぅ?」
 「虫!ちぃさか虫ばとってこんね!」 …今日もばぁば大好きなQであります…。