自分の足で立つために…-親も教師も「環境」である-

  11月13日、和光大学コンベンションホールにて、公開研究会「遊びの環境づくりから地域子育て支援と大学の連携を考える」が開催されました。

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 第一部で教室のリーダーをつとめた直後に、第二部では研究発表をこなす学生達…。数日前まで、なれないパワーポイントと格闘していましたが、よく成し遂げたと思います。 おおまかな枠組みだけを確認しただけで、発表原稿のチェックもしてあげられないまま発表当日を迎えてしまいましたが、学生達の率直な言葉に新鮮な気づきがあって、手を加え過ぎずにかえって良かった…と思いました。

  

 さて、ムーブメント教室の実践では、5ヶ月になったばかりの我が家の次男坊Callもパラシュートに乗りました。

 皆さんに「自然と」優しく揺らしてもらい、ほわんとご満悦の表情でした。初めてパラシュートを持つお母さんもいる中、持ち手である大人達が皆で一人一人の子どもの表情を観ながらその子にあった揺れを自然に作り出す…、その活動の意義をあらためて考えました。

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 さて、1歳のHくん、パパである卒業生のKさんがCallとHくんを抱き比べて「同じくらいがっしりしている…」と言ってくださいましたが(うちの次男坊、どうもでかいらしい…)、 パラシュートに乗って、腹ばいでしっかり頭を上げたまま揺れを楽しむHくんの姿に、明らかな発達段階の差を確認することができました。

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  MEPAの最初の項目が「腹ばいから頭が上がる(首すわり1)」なのですが、Callはやっとこの段階です。

 パラシュートの活用法については、「ムーブメント遊具の活用法~パラシュート編~ (2010/11/14)に少しまとめましたが、パラシュートの揺れの活動は、「抗重力筋」を刺激するためにも有効です。

 私たち人間は2本足で重力に立ち向かいながら動くことで生活しています。その重力に抵抗して立っている姿勢を保つために働く筋肉を抗重力筋といいます。

 赤ちゃんの場合、上体が縦に(垂直)になっている時や少し傾いた時に、頭が何の支えもなくともグラグラしないでしっかり垂直に保っていられること、これが「首がすわった」状態です。

 重力に抗して頭をしっかり垂直に保持するという、この「首のすわり」の機能は、次の3つの要素があります。

 ①身体が前に傾いた時に、頭が前に垂れていかないように、首をしっかり後ろに伸ばす機能。

 ②身体が後ろに傾いている時に、頭が後ろに倒れないように頭を前に起こす、すなわち、重力に抗して首を前に曲げる(起こす)機能。

 ③体が左右に傾いた時に、その方向に頭が崩れないように保つ機能。

 これらの前後左右の方向への「立ち直り」の機能がそろってくると、完全に首がすわった状態になるわけです。そして、これらの機能は、やがて、重力に対抗して「2本の足で立つ」ことにつながっていきます。

 

 自分の足で立つために、親としても教師としても、最もなすべきことは、そのための「環境」を与えること…、自らがその「環境」の一部になることなのだろうな~ と、あらためて考えました。